先日、近所のコンビニに向かっていた時のことです。前から散歩のワンちゃんと飼い主さんが歩いてきました。3ヶ月位前にも別なところですれ違っています。
で、その時も、そして今回も、わんちゃんと飼い主さんの顔があまりにもよく似ているので、見ぬふりをしながらも見ずにいられませんでした。
実験結果が証明している
昔から「犬は飼い主に似る」という言葉があります。このことは科学的に証明されているようなのです。
関西学院大学の中島定彦教授が面白い実験を行いました。被験者に飼い主の写真と犬の写真をバラバラに見せ、それぞれをペアにさせてみたのです。すると統計的に有意に高い割合で飼い主と愛犬を当てることができたそうです。
さらに、教授は飼い主と犬、それぞれ顔の一部分を隠した写真を用意して同じ実験を行いました。すると飼い主と犬の目元を隠した写真では正答率は低く、口元を隠した写真では最高で80%の割合でペアを当てることができました。つまり飼い主と愛犬の目元が似ているということなんですね。
一緒に暮らしていると似てくる?
別な面白い実験結果もあります。カリフォルニア大学のクリステンフェルド教授らが行った飼い主と犬のペア当て実験では、犬の飼育年数と正答率は比例しませんでした。また、純血種の犬とミックス犬で比較すると、ペア当て実験の正答率は純血種の方が高かったそうです。
つまり、飼っているとだんだんと顔が似てくるのではなく、はじめから顔の似た犬を愛犬として選んでいる可能性が高いということです。
ミックス犬は純血種に比べて仔犬から成犬に成長したときの顔つきが変わりやすいため、仔犬時代(もしくはお迎え当時)の顔が飼い主に似ているという説もあります。
似ている顔の犬を選んでしまうのはなぜ?
中島教授はこの理由について、人は見慣れている顔を好きになる「単純接触効果」という傾向があるためだとしています。ほとんどの人にとって一番見慣れている顔は自分の顔です。それによく似ている犬を無意識のうちに選んでいるのではないか、ということなのです。
犬以外のペットも飼い主に似る?
犬以外のペットについての学術論文は残念ながらまだ出ていないそうです。しかし興味深いのは、ウィーン大学のスティーガー博士らが発表した論文です。
こちらは車のヘッドライトを目に、ラジエーターグリルを口に見立てた車の正面写真と所有者のペア当て実験を行いました。すると車と所有者の顔もペアとしての正答率が高かったという結果が出ました。
これは犬以外に関しても「単純接触効果」が機能することを示唆しているようです。
単純接触効果とは
ある刺激に触れれば触れるほど,それを好きになっていく現象を単純接触効果といいます。この現象は1960年代後半にザイアンス(Zajonc, R. B.)によって取り上げられ,主に社会心理学の分野で研究が進められてきました。近年では認知心理学や感性工学などの分野における研究も増えつつあります。
引用:日本心理学会:繰り返し接しているうちにどんどん好きになるのはなぜ?
「単純接触効果」の仮説を踏まえても、身の回りの例を見ても、飼い主とペットが似ているのは犬だけに限ったことではなさそうです。
参照記事:
ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/2014/10/02/people-really-do-look-like-their-dogs-and-heres-why_n_5918610.html
イミダス集英社
https://imidas.jp/jijikaitai/l-40-187-14-07-g540
キュティアショップ
代表 猪熊洋文