シニア犬・猫になると目の老化は避けられません。ドライアイ(乾性角結膜炎)や涙やけの症状がみられるようになります。老化予防のために眼へのダメージを最小限に抑え、必要な栄養を補ってあげましょう

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2020/07/02 更新

シニア犬・猫の目の老化予防のために

犬・猫の眼のサプリメント

眼の老化予防のために

犬や猫の嗅覚や聴覚は人に比べてとても優れています。加えて動体視力にかかわる細胞(桿体細胞:かんたいさいぼう)の働きも発達しています。また、色覚に関する錐体細胞(すいたいさいぼう)もちゃんと機能しています。人と同じ色彩ではないものの色付きの世界を見ており、視覚から多くの情報を得ていると考えられます。犬や猫にとっても眼は大切なのです。

人と同じで犬や猫でも眼の老化は避けられません。シニア期になると、ドライアイ(乾性角結膜炎)や涙やけの症状がみられるようになります。これは、眼のバリア機能である涙の産生量の低下や涙の質の変化によって起こります。

水晶体が白く濁る白内障も徐々に進行していきます。白内障は進行すると、視力の低下につながり、ひどくなると失明することもあります。加齢による白内障は犬に多く、猫ではまれです。

腎臓病や心臓病などの持病がある場合は、高血圧が原因の緑内障や網膜剥離などを起こすことがあり、これも視力低下につながる危険な眼の病気です。

眼の老化は、代謝機能の低下や血流の変化などによって起こりますが、長年の紫外線ストレスも大きな要因です。紫外線によって眼の中に生じた活性酸素は錆びのように眼の中に蓄積し、眼にダメージを与えます。これは白内障の進行に関かわるだけでなく、角膜や網膜、視神経などにも影響を与えることが知られています。

眼へのダメージを最小限に抑え、必要な栄養を補ってあげることで、健康な眼を維持することにつながると考えられます。

シニア期の目をいたわる暮らし方

生活空間の見直し

ものにぶつかったり、段差でつまづいたりすることが増えるので、なるべく障害物のない生活空間を作ってあげましょう。慣れている家の中であれば、視力が低下しても今まで通り生活ができることが多いので、食事やトイレの場所は変えずに、家具の配置などもなるべく変えないようにしてあげましょう。

散歩は明るいうちに

散歩はなるべく暗い時間帯を避けて、明るい時間に行くほうがいいでしょう。周囲のものにぶつかったり段差に足を取られたりしないように、散歩中はリードを調整し、声をかけてあげましょう。

安心感を与える

視力が低下すると、恐怖心から過剰に鳴いたり、攻撃的になったりすることもあります。不安感を取り除くために、なるべく近くで寄り添ってあげ、優しくなでたり声がけしたりしてあげましょう。急に触ったり、大きな物音で驚かせたりしないように心がけると良いでしょう。

保湿とマッサージ

保湿力のある目薬や軟膏を用いて、目が乾かないようにします。まばたきが少ない場合には、手のひらでそっと瞼を覆い、目の周りの筋肉を優しくマッサージしてあげましょう。

眼のサプリメント選び成分チェック

抗酸化物質には、眼のダメージを軽減させる効果があるといわれています。眼にはもともとルテインやゼアキサンチンといった強力な抗酸化物質が存在していますが、加齢とともにその量は減少します。これらは体内で作ることができないため、食物から摂る必要があります。

しかし、十分な量を摂取するためには大量の野菜を食べなければならず、犬や猫には困難です。そこで、これらをサプリメントで補ってあげることで眼の老化を抑えて、健康を維持してあげましょう。

ルテイン

強い抗酸化作用をもつ天然の色素です。ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれます。眼の水晶体や網膜に存在し、光のダメージから眼を保護しています。また炎症を抑える作用があり、眼の病気を予防してくれます。

アントシアニン

ブドウやブルーベリーなどに多く含まれる青色色素です。強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎます。また、網膜のロドプシンを活性化することで、眼の疲労回復に効果があります。

アスタキサンチン

鮭の身を赤く染めている天然の色素で、強力な抗酸化力をもちます。眼の血液循環の改善、炎症の予防が期待されています。

DHA

魚に多く含まれる脂肪酸で、眼にも多く含まれています。視神経や毛細血管の修復を助けて視力回復に効果があるといわれています。

ビタミンE

抗酸化作用をもつ脂溶性ビタミンです。細胞膜の健康維持を助けます。

猫に必要な栄養素

猫は犬と違って、眼に必要な栄養素であるタウリンとビタミンAを体内で合成することができないため、食事やサプリメントで摂る必要があります。手作りご飯を与える場合には、これらの栄養素が不足していないか注意してみましょう。

タウリン

猫の必須アミノ酸で、不足により網膜の変性が起こります。植物中心の食事やドッグフードの給餌などで、タウリン不足が長期にわたると失明することがあります。

ビタミンA

猫はカロチンをビタミンAに変換できないため、ビタミンAを直接摂取する必要があります。脂肪制限食や、くず肉と穀類中心のフード、ドッグフードの給餌などで不足します。ビタミンA不足が続くと、夜盲症、ドライアイ、角膜潰瘍になりやすくなります。

執筆 キュティアショップ